COLUMN

BLUE MEMO – Wednesday Column Vol.1「ひとりぼっちを感じる夜に」

僕は、ふと孤独を感じることがある。

一人で仕事をしていると、人と話す機会は月に二度ほど。

普段は生きるのに必死で、孤独を感じる余裕すらない。

そんな僕も、真夜中に外を眺めると、無性に孤独を感じることがある。

「みんな、こんな孤独を抱えているのかな。」

静まり返った住宅街に、点々と灯る明かりを見つめながら考える。

ある日、公園近くの川を歩いていた。

水面を漂うカルガモや、甲羅干しをするカメの親子を眺めるのが、僕のささやかな楽しみだ。

「このカルガモたちも、孤独を感じるのかな。」

彼らはいつも群れで行動している。人の目には、孤独とは無縁に映る。

人間の世界はどうだろう。

賑やかなショッピングモールでも、都会の雑踏の中でも、僕たちは孤独を感じる。まるで透明な壁が、自分と相手の間にあるように。

しかし、カルガモの視点から見れば、それは不思議なことかもしれない。

交差点を行き交う人々。

渋滞の中を進む車の列。

僕たちは、いつも群れの中にいる。

それなのに、なぜ孤独を感じるのだろう。

もしかしたら、本当は孤独なんて錯覚なのかもしれない。

僕たちは「人間」という大きな群れになり、この不思議な地球を一緒に漂っているのだから。

夜になれば巣に戻り、寂しくなればまた集まり、漂う。ちょっと合わない相手がいたら、そっと別の群れへ移ってみたり。

もっとシンプルに、もっと軽やかに。

そう思うと、ドライブ中の景色も違って見えた。まるで、みんなで一緒に旅をしているみたいだ。

IMAI DAISUKE

イラストレーター

兵庫県出身のイラストレーター・デザイナー。
2014年よりフリーランスのイラストレーターとして活動を開始。
活動初期から手がけているオリジナルグッズの制作・販売では、多くのファンから高い評価を得ている。

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